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2015.12.19

退職から移住まで

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2014年7月に退職した訳は突発的な感情の変化もあったが、勤続20年以上で企業年金が受給できるという制度があったからだ。きっちりと計算したわけではないが、退職金と企業年金と半年間受給できる失業手当(雇用保険)で身の丈で生活していけると考えた。
移住してから国民年金受給を60歳からにしたので、5年間もてば生活に影響はないし、いざとなったら自宅のマンションを売却する手もあった。もちろんローンが80歳まで残ってはいるが売却すれば買値よりも高く売れることは相場を調べてわかっていた。

確かに60歳で定年退職すればその分、優雅な生活を送れるだろう。定年延長は65歳まであるから仕事が苦痛でなければ文字通りのセカンドライフを満喫できるだろう。
しかし、例えば65歳から起業したり新たなチャレンジは肉体的にも弱ってくるし、親の介護などを抱えることは目に見えてわかっている。
他人は他人、自分らしい生き方をしてみようと、すでに入社した当時から考えていた。子育ても終わり子供も二人とも成人になって自分たちの行きかたを見つけることだろう。親としての役割は終わった今がチャンスだと考えた。

しかしこれは建前で本音は毎日酒を飲んで優雅に暮らしたかっただけなのだ。そんな馬鹿が世界に一人いても構わないし人はいつ死ぬか誰もわからない。実際に職場ではアルコールで3人亡くしていた。
今度は私の番だと思った。私に万一のことがあったとしても、マンション2つと生命保険で家族は充分生活していけるとも考え早急に行動に移す必要があった。

ところが、昨年2014年10月に義弟が50歳という若さで突然亡くなった。真面目な気の合う義弟だったのでショックからしばらくの間立ち直れなかった。酒量はさらに増し、葬儀の時足が震え立っているのが精いっぱいだった。献杯の席では手が震えてビールを注ぐこともできない状態だった。まわりはきっと緊張していると感じたかもしれないが、明らかに禁断症状そのものだった。

妻は半年泣き暮らし、遺品の整理など実家に通い、私はひたすら何かに憑かれたかのように、酒を煽る日々だった。
墓地に埋葬する日の晩だった。神奈川の妻の実家の近くの旅館に泊まり翌日、台東区の菩提寺に納骨に行く予定だったが、夜中寝汗が止まらず体が震えてきて早朝タクシーを呼び一人熱海に帰った。雪が積もる寒い日だった。

旅館で就寝前に妻から一言涙ぐみながら「やっぱりアナタには長生きしてほしいの。。」と言われた。
その後台東区から実家の近くの寺に移骨することになり、その時も具合が悪かったが、前日湯河原駅の近くの民家で放火殺人事件があったので、もしもの事を考えタクシーを呼び私も同乗することにした。
人生何が起こるか分からないとはこのことだと思った。

2015年6月頃からいよいよ体調が悪化して、精神安定剤と酒を一緒に飲み熱海市の病院に二度目の救急搬送された翌日、いよいよ神奈川県の精神病院に入院することになった。当日、やはりハイボールを2~3杯飲んでいたが受け付けてもらえ喫煙も可能な病院にタクシーで行った。
7月~9月にかけて二か月半の間、更生生活を送り、退院後は一切アルコールを絶った。2013年に日本で認可され使用可能となった新薬のレグテクトという断酒補助薬を服用し、通院は熱海の心療内科で定期的に診察を受けγGTP値は1000から標準の30まで下がっていた。

入院中の頭部CTスキャンで前頭葉の1割に脳萎縮があることが判明していたが、言語能力は正常とみなされた。断酒により萎縮の進行はなくなるとのことで、これ以上はボケたくないから一生断酒する覚悟ができた。レグテクトは実際に断酒に効果があり、アルコールを摂取しなくても安定して生活を送れるようにまでなった。
最近、静岡県から自立支援医療受給者証が届き、高額な新薬も1割の自己負担で済むようになった。

今回の入院では前回の東京での入院生活と違い、アルコール依存症だけでなく大麻や覚せい剤などの薬物依存症患者、痴ほう症患者など男女一緒の病棟だった。患者同士の話の中でもっといろいろな事を学ぶことが出来た。
さらに退院前日のDr面談にて病名は「双極性障害」と正式に診断され、副障害としてアルコール依存症だと分かった。
現在は双極性障害の治療で、以前は躁鬱病と言われたが、私の場合はうつ病症状が強くアルコール依存に至ったのはそれが原因だったようなので、主に治療は服薬中心で毎食後レグテクトと朝夕安定剤、就寝前に安定剤と睡眠導入剤を飲んでいる。

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